今回のテーマは呼吸について。
そして、今回も参考とする書籍は、
監修 アンソニー・G・チラ 監訳 下村 彰慶
まずみなさん、横隔膜はご存知でしょうか?
焼肉で言うところの「ハラミ」ですね。
下の写真では肺の下にあるピンク色の横のラインが横隔膜になります。
①ここで横隔膜の動きについて確認します。
息を吸うと、横隔膜は下がります。
息を吐くと、横隔膜は上がります。
意外と息を吸うと横隔膜が上がると勘違いされている方もおられたのでは無いでしょうか?
ここは今回の内容からするとかなり重要な1つ目のポイント!
②そして横隔膜の下にあるのが腹部(腹腔)になります。
横隔膜が下がるとこの腹部はどうなるでしょうか?
当然下の絵のように押し下げられ圧迫されます。
ここが2つ目のポイント!
③さらに圧迫された腹部の中には様々な内臓があります。その内臓の中でも、腹部の中心にある太い静脈である「中心静脈」は、圧を受けることで血液やリンパの循環が促進されます。そして、これら1連の働きが低圧循環系と呼ばれます。
これが3つ目のポイントです。
ここまできたら、なぜ浮腫(むくみ)や冷えが生じるのかイメージがつくのではないでしょうか?
呼吸が浅い→横隔膜の動きが悪い→腹部が圧迫されない→血液やリンパの戻りが悪くなる
つまり呼吸が浅い=循環が悪い
したがって、これが浮腫(むくみ)や冷え性が生じる原因となります。
もちろん循環が良くなることはこれらの問題に限らず、身体にとって様々な良い恩恵が沢山あります。そもそも身体の全ての細胞は循環によって生命が与えられています。
この辺りの話はまた別の機会で話しますね。
当院では、呼吸に問題のある患者さんも多く来院されています。また他の症状で来られたにも関わらず、呼吸の改善を得られた方も多くおられます。いま一度、「生命の息吹」でもあるご自身の呼吸について見直してみてはいかがでしょうか?