一つの骨の全てを完全に理解できれば、永遠の両端を理解したことになるAT still
オステオパシーの語源はギリシャ語で「オステオン(骨)とパソス(病気)」という2つの言葉から作られた造語ですが、「骨の病気」を意味するのではなく、「骨の性質」に観点を置いた言葉です。
今回はその性質について重要な3つの点をお話いたします。
①「骨は必要な部分で増加し、必要のない部分では再吸収される」Wolff
骨はある特性を持っており、応力(外力に対する内部の抵抗力)が存在することによって、骨は応力に耐えるためにサイズ、形状、構造を変えることができます。この独自の特性から考えられることは、骨はその生体材料の特性を維持するために応力が必要であるということです。
例えば、宇宙などの無重力状態のような状況では、骨への応力が低下し結果的に骨の強度が低下していきます。逆に言うと激しい運動では、正常な骨が応答して肥大します。つまり極端に動かない事や、過度な部分的な負担も骨の形状を変化させると言う事です。適度な運動は骨密度を増加させる事において、非常に重要な要素となります。Osteopathic medicine
患者さんから「先生、ここ(身体の一部を指して)骨が出てきてるんです」と言われる事があります。その部位を見ると骨が隆起している事があります。それは骨が応力に反応していることです。つまりその部分に極端に負荷がかかっているということになります。
②骨髄によりほとんどの血液が造られる。
骨髄とは骨の中に存在する柔らかい組織です。ここは血液を作る「工場」です。子供の頃は全身の骨で血液を作っていますが、成人になると体幹の骨に限定されます。動脈血の重要性については以前にもお話しましたが、これはその「血液の質」に関係します。血液の役割については、膨大な内容となるため割愛しますが、血液が身体を作る事からも、その重要性については想像してもらえることと思います。
③骨の位置異常が病気を生む。
こちらも以前にお話しましたが、何度でも取り上げることができる重要な内容です。機能と構造は互いに関連しあっているという、オステオパシーの原則に基づきます。ほとんどの骨には筋肉や靭帯、血管や神経が付着します。したがって骨がズレるという事はそれらに影響を及ぼすという事です。逆に筋肉が過剰に収縮することで、骨の位置異常を起こすこともあります。
これらの点を踏まえて、特に①②においては運動の重要性においても、改めて考える内容になったのではないでしょうか?当院では骨の位置異常の確認や、極端に負荷が生じている部分に対して評価し、正常に戻していきます。お身体の骨格や姿勢について不安がある方は是非ご相談ください。